映画評

【映画評(感想)】『シンドラーのリスト』を語りたい

『シンドラーのリスト』のあらすじ

第二次世界大戦期、ドイツ人実業家のオスカー・シンドラーは、ポーランド南部の都市クラクフで事業を始める。彼は優秀なユダヤ人会計士シュターンをパートナーとして、近くのゲットーに住むユダヤ人を低賃金で雇い入れて成功を収めていくが、罪のないユダヤ人が次々に殺されていく日常に嫌悪感を覚えるようになる。

【感想】『シンドラーのリスト』

この映画の特筆すべき点は、全編を通してモノクロで統一されていること。
実話を元にした映画であることもそうだが、モノクロの記録映画のような体裁を取ることで臨場感を鮮明に表現している。そして、モノクロにしたことでホロコーストの残虐性や当時の不潔さが緩和される効果もあったと思う。映画という性質上、カラーで表現してしまうと目を背けたくなるようなリアリティが生まれてしまう。リアリティを出すことも重要だが、広く観てもらうためには仕方なかった一面もあったのだろう。
そんな中で、カラーで一際目立つ真っ赤な服を着た少女が描写される。作品内でたびたび出てくるこの赤い少女は、モノクロの世界で存在感を発揮し、シンドラーの心情の変化のきっかけとなっている。
カラーが当然のメディアの世界であえてモノクロにする手法は、ときにカラー以上の情報量を伝えるのだと、この映画を通して思い知った。